倉庫に積まれた既製品を即日発送するのではなく、注文を受けてから職人が銅板を切り出し、金槌を振るって一点ずつ形作る「受注制作(Made to Order)」。なぜSEKIMONOはそのような手間のかかる手法を貫くのか。注文から手元に届くまでのものづくりの実際をご紹介します。
1. なぜ受注制作なのか:大量生産では出せない「個体差の美」
金型で一度に何千個もプレス成形された製品は、均一で狂いがありませんが、そこに職人の息遣いや手の記憶は宿りません。一点ずつ火にあて、鏨(たがね)を打ち込むことで、わずかな槌目の角度や酸化皮膜の発色に「世界に一つだけの表情(個体差)」が生まれます。
2. 届くまでの工程(約3〜7営業日)
- 注文確定と素材選定:厳選された無垢銅板・真鍮板から必要なサイズを切り出し。
- 鍛造と手打ち成形:木台の上で職人が金槌を打ち下ろし、立体的な曲面と槌目を形成。
- 手彫り錾刻(せんこく):鏨を使って文様や細部の造形を刻み込む。
- 高温焼き付け着色:火と天然原料を用いて金属表面に古銅色の保護膜を定着させる。
- 最終検品と桐箱梱包:バリや歪み、肌合いを入念にチェックし、大切にお包みしてお届けします。
3. 待つ時間も「茶席の序章」
自分のために職人が手を動かしている数日間の時間そのものが、道具への愛着を育む豊かな体験になります。
高級工芸茶器の品質チェック基準は、高級茶器を見極める5つの品質項目で解説しています。