中国茶や台湾茶の茶道具を手にする際、器の表面に施された自然や動植物を思わせる意匠に目を惹かれることがあります。 東洋の工芸美術において、茶器に表現される動植物や風景のモチーフには、古くからの文化的背景や工芸題材としての伝統が反映されています。
SEKIMONOでは、日々の茶席でお茶を淹れるひとときに自然や工芸の趣を感じていただけるよう、作品ごとに異なる題材を取り入れています。 本記事では、代表的な題材の文化的背景と、SEKIMONOの銅製茶器全14作品における意匠の記載を整理してご紹介します。
1. 東洋の伝統題材とSEKIMONO作品の意匠一覧
| モチーフ・題材 | 題材の文化的背景 | 該当するSEKIMONO作品・意匠記載 |
|---|---|---|
| 梅の枝と花 | 寒さに耐えて早春に咲くことから、東洋文化で四君子(梅・竹・蘭・菊)の一つとして親しまれる植物 | 梅染江南|茶則(梅の枝と花を思わせる意匠) |
| 竹と石・岩 | 風雪にしなる竹と堅固な岩石の対比は、東洋絵画において静寂な景色を表す伝統的画題(竹石図) | 竹石|茶則(竹と石を思わせる意匠) / 石上聴竹|壺承(岩を思わせる起伏と竹の葉) |
| 石榴(ざくろ) | 実に多くの種子を含む丸みのある形状から、古来より親しまれる果実文様 | 石榴|茶則(石榴を思わせる丸みのある意匠) |
| 金蟾(きんせん) | 東洋の伝承に登場する蟾蜍(ヒキガエル)を思わせる造形(※SEKIMONO作品独自の意匠表現) | 金蟾吐瑞|茶則(金蟾を思わせる立体的な造形) |
| 丸みのある起伏(金玉満堂) | 『老子』第9章等を出典とし、金や玉が堂に満ちることや学識の豊かさを表す成語 | 金玉満堂|茶則(丸みのある起伏と細部の表情) |
| 獅子 | 古来より建築や金工品において守護や威厳を象徴する題材とされてきた動物像 | 祥獅|蓋置(獅子を思わせる立体的な造形) |
| 仏手(ぶっしゅ) | 仏手を思わせる意匠を取り入れた立体造形(※SEKIMONO作品独自の立体意匠表現) | 仏手|蓋置(仏手を思わせる意匠) |
| 花と葉(萱草) | 古典において「忘憂草(ぼうゆうそう)」の別名でも知られる植物の意匠 | 萱草花|壺承(花と伸びやかな葉の意匠) |
| 蟹(かに) | 水辺の生き物として江戸時代以降の金工品や文房具(文鎮等)に取り入れられてきた造形題材 | 八方来財|壺承(蟹を思わせる立体的な造形) |
| 山水(さんすい) | 東洋水墨画において山や川などの自然景観を描く伝統的な画題 | 尋幽境|茶則(山水を思わせる景色) |
※各作品の意匠は東洋の自然物や伝統的な工芸題材を思わせる造形表現として仕立てられており、特定の吉祥や御利益を目的として保証するものではありません。
2. SEKIMONOにおける手仕上げと着色
SEKIMONOの作品は、中国・江蘇省無錫市の提携工房にて、銅素材に手仕上げと表面着色を施しています。
光の当たり方によって立体的な起伏の陰影が変化し、日々の茶席で使用後に乾拭きを重ねることで、穏やかな風合いの深まりをお楽しみいただけます。