伝統的な表面着色を施した銅製茶器。研磨剤や硬いタワシを避け、柔らかな布でお手入れすることで美しい古色を維持できます。
SEKIMONOの銅製茶器に見られる、渋く深みのある「古銅色」や「飴色」の肌合い。これはペンキ等の塗料を塗ったものではなく、熟練の職人が銅の表面を火や天然原料で意図的に酸化させ、美しい保護皮膜を定着させる伝統的な「表面着色技法」によるものです。この繊細な皮膜の美しさを一生モノとして保つためのお手入れ法を解説します。
1. なぜ研磨剤や強い洗剤を使ってはいけないのか
- 金属磨きクロス・クレンザーの危険性:表面着色の皮膜はミクロン単位の極めて薄い層です。ピカールや研磨剤入りクロスで擦ると、職人が施した古銅色の皮膜が削り落とされ、下地のピンク色の生銅が露出してしまいます。
- 台所用洗剤・食洗機の禁止:強力な界面活性剤やアルカリ性洗剤は皮膜の油分を奪い、乾燥によるムラの原因になります。
2. 毎日の30秒お手入れ:基本の3ステップ
- ぬるま湯で流す:お茶を淹れ終えたら、茶渋の汚れをぬるま湯(または水)で軽く洗い流す。
- 清潔な綿布で乾拭き:柔らかい木綿布(または茶巾)で、表面に残った水滴を完全に拭き上げる。
- 風通しの良い場所で陰干し:直射日光を避け、湿気のこもらない場所で自然乾燥させる。
3. お茶の油分で艶を育てる「養器(ヤンチー)」の極意
器が温かいうちに、淹れたてのお茶を含ませて固く絞った茶巾で表面を優しく拭き上げると、お茶に含まれる微量の天然植物油とカテキンが酸化被膜に浸透し、しっとりとした深みのある艶(パティーナ)へと美しく育っていきます。